相続と不動産 ①

相続と不動産
相続と不動産 ①

相続と不動産 が係る実例を紹介します。
一般的な相続の仕方やトラブル回避方法なども確認していきましょう

実例① 夫が亡くなり妻が不動産と金融資産の全てを相続しました。しかし、金融機関ごとに対応が違い預金の引き出しを諦める事も・・・

家族構成は夫の航さん(仮名)と妻の京子さん(仮名)、それに長女、長男、次男の5人家族。

相続と不動産

長男と長女は実家を離れ家庭を持ち、独身の次男は両親と実家降らし。

10年以上入院し闘病していた70代の航さんが亡くなりました。

京子さんが葬儀業者を手配し、長男が市役所への届けなどを行い、長女と次男が家の中を片付け葬儀の準備をし、親戚の方々にも協力いただき無事葬儀を終えました。

実家の土地建物や現預金など全て京子さんが相続する事で家族全員の意見が一致し司法書士へ相続登記を依頼しました。

相続と不動産

金融機関に対して京子さんは、航さんの預金口座を把握できていたので、口座残高が多い、または年金の入金や口座引落しが設定されている口座から解約手続きを進めて行き、残高が少なくお金の動きが無い口座は後回しにしました。

相続と不動産

 

仏壇とお墓を用意し、無事納骨を済ませ、それまで頻繁に京子さんの元へ来ていた長男と長女も一息付けたようです。

そこで、まだ解約手続きをしていない金融機関が有ったことを思い出した京子さんが金融機関の窓口に申し出ると、「相続時に用意した書類が必要」とのこと。もはや手元に無い書類も有り集めるのに若干のお金と時間がかかる事と、口座残高が少額だったため、その航さん名義の口座を解約する事を諦めてしまいました。

子供たちにも手間暇掛けさせてしまうし、残高が少額だから口座解約を断念しました

子供たちに不動産を分けなくても良かったのかな?

相続する事を前から意識しておけば良かったなぁ by航

実例では相続内容や各種手続きも済ませ問題が無さそうでしたが、「後回し」にしてしまった事だけが残念でした。相続実例と航さんの感想を元に解説します。

 

  • 土地・建物を相続する場合、所有権を数人で持ったり(持分を持つ)、土地はAさん、建物はBさんと分ける事が有ります。何れにせよ数人で所有した場合、その所有者に相続が発生して複数人が相続すると所有者が増えていきます。また、土地や建物を持分だけ売却する事ができるので持分を持つ所有者間の関係が希薄になっていき、修繕や一括売却、譲渡をする場合に意見がまとまらない場合が多くあります。将来の利用方法が決まっていれば、それに沿った方々で相続し、決まっていなければ一人の方が土地・建物を相続する事をお勧めします。

 

例えば・・・夫が亡くなり、土地・建物を家族で相続します

妻2分の1、長女4分の1、長男4分の1の持ち分としました。

妻が健在の内に長女が亡くなってしまうと

長女の遺産は配偶者2分の1、子供たちそれぞれ6分の1づつ相続します。

また、夫(長女の父)の土地・建物の分も相続する事が必要です。例えば持分を配偶者8分の1、子供たちそれぞれ24分の1づつなど。もちろん一人が相続しても良いものです。

 

このように、土地・建物の持ち分を持つ人が増えたり、二次相続、三次相続と経過すると、持分を持つ所有者間の関係が希薄になっていき、修繕や一括売却、譲渡をする場合に意見がまとまらない場合が多くあります。

不動産の相続は一人、又はその不動産所在地の近くにお住まいの少人数で行う事をお勧めします。

  • 相続に関する手続きは早めに終わらせてしまいましょう。「後回し」にしていまうと余計な手間が掛かる場合が有ります。※役所関係や保険会社への届出は勿論、不動産の相続登記、金融機関口座の解約、金融商品や車、各種契約(ライフラインなど)の名義変更など。

 

  • 自身に相続が発生した事を考えるようになったら、複数ある金融機関の口座を集約しましょう。また金融商品を整理しリスト化しておくと良いでしょう。さらに、家族にどのように相続して欲しいかを伝えておくのも良いでしょう。

さて、いかがでしたか?
ご自身や家族に置き換えて考えてみると、きっと気になる事が湧いてきたと思います。親が被相続人の場合、残された家族の意見が合わなかったらどうしよう・・など。被相続人の意見を尊重したいところですが、まだまだ元気な親に相続の事を話すことは出来ませんよね。「相続が起きる事に備える」のではなく「相続が争族にならないため」にどのような相続をして欲しいか、少しづつ希望を聞き出すのが良いでしょう。

相続、空き家、不動産管理についてこれからも発信してまいりますので引き続きご覧ください。宜しくお願い申し上げます

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空き家活用プロジェクト山形

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