相続と不動産 に係る実例を紹介します。
一般的な相続の仕方やトラブル回避方法なども確認していきましょう
家族構成はご両親と長女の涼子さん(仮名)次女の恵子(仮名)さん三女の聡子(仮名)さんの5人家族。
両親が亡くなった後、次女の恵子さんは夫と一緒に年に2度、空き家になった実家の草刈や庭木の手入れをしていましたが、草刈も体にこたえる年齢になってきたので実家を売却する事にしました。
長女と三女の手助けが無いまま、両親の介護と実家の手入れをしていた恵子さんは「この実家は私が相続して当然」と考え、不動産業者へ売却を相談しました。
[不動産業者] ご両親からの相続登記が済んでいませんが、売却が決まったら相続登記をする必要がありますが、問題なくできますか?
[恵子さん] 大丈夫だと思います
一か月後、購入希望者が現れたので契約の段取りをする中、相続登記をしなければ購入者へ所有権移転登記が出来ないので、まずは相続登記を進める事に。
三女の聡子さんは他界されていて一人娘がいるのですが音信不通に所在不明!?。弁護士に依頼し行方不明者探し。連絡先を探し出し無事必要書類を取得できました。
[聡子さんの娘] 遺産分割協議書の同意します
長女の涼子さんは関東地方のマンションで一人暮らし。電話に出ないので手紙で相続登記をする旨と必要書類をお願いするが返事が無い。涼子さんの娘さんにも依頼するが、娘さんとも会おうとせずマンションの部屋のドアを開けてくれない。
仕方ないので恵子さんは夫と涼子さんの元へ。部屋に居る気配は有るが返事が無い。業を煮やした夫は
[恵子さんの夫] 助けて下さい!!室内で涼子さんが倒れているかもしれない!!
と夫が警察と消防に連絡しマンションの周りは大騒ぎ。涼子さんはしぶしぶ部屋のドアを開けたそうです。
涼子さんは、知人が信頼する身近な人からの詐欺にあった話を聞き、極度の人間不信になり書類への署名や押印が出来ないだけではなく家族にすら会えなくなっていました。高齢の影響も有ったかもしれませんね。
[長女の涼子さん] 「好きにしていいわよ」って訳にはいかにのね
購入希望者が現れてから相続登記の書類が整ったのが3か月後でした。
[不動産業者] 購入希望者様は待ちきれず他の物件を買ってしまいましたので、再び販売活動を行いますね。
その後無事、売却希望額で売却でき、恵子さんご夫婦は年に2度の草刈が無くなり一安心、自宅の家庭菜園を楽しんでいらっしゃいます。
仲の良い兄妹での相続でも不動産の登記は必要だね
「相続登記の義務化」が令和6年4月からスタートします
罰則もあるので早めの登記が必要です
「相続登記の義務化」について概要をご覧ください
これまで、土地や建物の所有者が亡くなった場合、不動産登記の名義変更は義務ではなく、家族などの誰かが固定資産税を納税していれば良かったのです。しかし、名義変更をしない事を咎められないせいか所有者不明の土地が増えるなどの問題が生じたため「相続登記の義務化」が制定されました。
管理不全の空き家問題にも関係しています
令和6年4月からスタートする制度ですが、その前に相続が発生した方も対象になります。
俺も相続人の一人だけど、兄貴が全部相続手続きしてくれるから気にしないさ
亡くなったお爺ちゃんの相続登記がまだみたいだけど、私には関係ないわよね
罰則は法定相続人皆さんに課せられます。また、現在の法定相続人だけの問題ではなく、いずれ二次相続、三次相続が発生すれば孫、ひ孫までもが当事者になってしまいます。
相続、空き家、不動産管理についてこれからも発信してまいりますので引き続きご覧ください。宜しくお願い申し上げます
空き家活用プロジェクト山形
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