相続登記の義務化

相続と不動産
相続登記の義務化

令和6年4月から相続登記が義務化されます。

不動産の相続登記をまだ行っていない方、相続についてお考えの方は気になっている事でしょう

違反した場合の罰則を確認いただき、思い違いのケースもご確認ください

ケース1:相続放棄
相続登記の義務化

農家の邦夫さん(仮名)が10年前に亡くなり、娘の祥子さん(仮名)が相続していました。邦夫さん名義の不動産は全て祥子さんへ相続登記していたので「相続登記の義務化」は全く眼中にありませんでした。

ある日、30年前に亡くなった邦夫さんのお父様の一郎さん(仮名)名義の私道が有る事が発覚し、その私道を利用する近隣の方から祥子さんへ相続登記をするように依頼が来ました。

それは、私道の所有者の承諾が無ければ、私道内での水道工事が出来ず新しく家などを建てる事が出来ないためでした。

しかし一郎さんの相続時、生前の一郎さんの言葉に沿って邦夫さんが全て相続したことを邦夫さんの兄妹は不満に思い、それから兄妹間が不仲になったようです。また、その私道は相続登記時に漏れていたようです。

 

祥子:父(邦夫さん)の不動産は私が相続するのは当たり前だけど、お爺さん(一郎さん)の不動産を相続する義務があるのかしら。

あるとしても、叔父や叔母が協力してくれないのよね。

叔父:俺たち兄(一郎さん)が全ての財産を相続する事を承諾した、相続を放棄したんだ!もう関係ないだろう。勝手にやってくれ

自分が何も相続しない(受け取らない)遺産分割協議書へ署名押印しただけでは相続を放棄した事になりません。相続財産の洗い出しが必要なので司法書士や弁護士に依頼するケースが多いようです。

裁判所から手続き完了の通知が来ていなければ、相続放棄をしていない事になります。

遺産分割協議書に記載が無い相続財産については、有効な遺言書が無ければ法定相続人が相続する事になります

 

 

 

 

 

この場合、一郎さんの子供全員、その中に亡くなっている方がいればその子供(一郎さんの孫)が法定相続人となり、全ての相続人で遺産分割協議書を作成し、相続登記をする必要が有ります。

ケース2:固定資産税納税通知書
相続登記の義務化
浩司さん(仮名)は5年前に亡くなったお父様の固定資産税を毎年納税しています。
当時、司法書士へお父様名義の不動産の相続登記を依頼していたので「相続登記の義務化」には全く関心が有りませんでした。
浩司さんのお爺様が建てたという自宅はに古く、修繕費も高額になりそうなので建替えを計画しました。住宅ローンの審査を住宅メーカーの担当営業に依頼すると・・・

担当営業:所有地の一部に”幸子”様名義の土地が有りましたが奥様でしたか?

調べると、”幸子”お婆様名義の土地が庭の一角に有る事が判明しました。

浩司さん:固定資産税納税通知書に記載の不動産は全て自分名義だと思っていたけど、ずいぶん前に、お婆さん宛の納税通知書を自分へ宛名変更をしたのを忘れていたなあ

先祖代々不動産を受け継いでいる方や、複数の不動産を相続した方は、この機会に市町村役場で所有不動産の一覧「名寄帳」を確認しておくのも良いでしょう。

不動産登記法の改正により、令和6年4月1日以降は不動産を相続したことを知ってから3年以内の登記が義務付けられます。これ以前に相続が発生していた場合は、令和9年3月31日までに登記することが必要です。

この改正のポイントは、「4月1日以降に発生した相続」だけではなく、それ以前に発生したものも対象となり、過去に相続し登記していない不動産も対象になるのです

正当な理由なく相続登記をしなければ10万円以下の過料が法定相続人に課せられます
詳しくは、法務省の相続登記の申請義務化特設ページをご覧ください。

今回の改正は、相続登記がされず長い間放置され、所有者が分からなくなってしまう

農地や空き家を減らし、その周辺環境や治安を良くするために行われました。

遠方やご高齢の相続人とのやり取りには時間が掛かり、また猶予期間内に相続人の中で二次相続、三次相続が発生することも考えると、3年はあっと言う間です。

早めに司法書士や相続診断士などに相談しましょう。

相続、空き家、不動産管理についてこれからも発信してまいりますので引き続きご覧ください。宜しくお願い申し上げます

私どもでは、相続相談空き家など不動産の活用リフォーム不動産の管理を行い、不動産所有者のリスク軽減をお手伝いしております。お気軽にお問い合わせください。
空き家活用プロジェクト山形

 

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